子供の怪我の中で意外と多いのが歯の怪我です。歯の怪我は学校生活や遊びの中で思わぬところで発生します。大人と違い体を使った動作が多いことが歯の怪我が多い原因となっています。
一般的な擦り傷や切り傷と違って歯の怪我は種類も多くあり手当てや処置が異なります。ここではそんな歯の怪我の種類とその処置方をご紹介します。
歯の怪我の種類について
歯冠破折(しかんはせつ)
歯の見えている部分が割れたり欠けたりしてしまう状態です。
歯根破折(しこんはせつ)
露出している部分ではなく歯茎の中にある歯の根っこ部分が割れたり欠けたりしてしまう状態です。
歯牙脱臼(しがだっきゅう)
転んだり、歯を強く打って歯がぐらぐらする状態で抜けてしまうこともあります。歯が完全に抜けてしまうことを完全脱臼、抜けていない状態のことを亜脱臼といいます。
歯牙陥入(しがかんにゅう)
転んだり歯を強く打ったことにより歯が陥入してしまう状態です。
歯槽骨骨折(しそうこつこっせつ)
歯が植わっている範囲の部分を歯槽骨といい、広範な外力が歯牙にに加わった時に歯槽骨骨折が発症します。
顎骨骨折(がくこつこっせつ)
顎の骨が骨折してしまう状態です。見た目の歯並びで明らかにわかる状態のものもあります。
歯の怪我の処置方法について
歯冠破折(しかんはせつ)の処置
割れたり欠けたりした歯の破片があれば、その破片を持ってすぐに歯科医院へ行くようにしてください。破片は元の歯にくっつけることができる場合があるので治療の際の選択肢が広がります。
歯根破折(しこんはせつ)の処置
疼痛があり動揺する場合があります。外傷として見えないので、すぐに歯科医院に行くようにしてください。
歯牙脱臼(しがだっきゅう)の処置
歯が抜けてしまった場合は、その歯を見つけて、歯の頭の部分を持って歯根部を水で洗います。洗う際のポイントはゴシゴシ洗ったり、周りについている組織を取り除くような洗い方は避けてください。
もし、元の歯の位置に戻せる状態であれば戻しましょう。戻すことがむずかしいようなら生理食塩水や牛乳に入れるか、歯と頬の間に入れて至急歯科医院、口腔外科に搬送するようにしましょう。
歯牙陥入(しがかんにゅう)の処置
周囲軟組織の裂傷や出血は滅菌したガーゼなどで圧迫して止血するようにしましょう。できる限りは焼く歯科医院や口腔外科に搬送するようにしてください。
歯槽骨・顎骨骨折の処置
骨折を伴うと判断できる場合にはできる限り動かさないようにして口腔外科へ搬送するようにしてください。
歯と口腔内の怪我と処置のポイント
- 折れたりかけたりした歯は保存して歯科医院へ持っていくこと
- 痛みを強く訴える場合は外傷がなくても歯科医院へ行くこと
- 歯が抜けてしまった場合は水で優しくゴミを取る程度に洗い元に戻せるなら戻し、戻せない場合はそのまま歯科医院か口腔外科へ行くこと
- 骨折と判断できれば安静にして至急口腔外科へいくこと